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【ニュース】「ウナギ味ナマズ」、近大が本格養殖

代用品の開発

大阪を代表する大学の1つである近畿大学ではウナギ味のナマズを開発しています。
近年、ウナギの生息数が減少していることが問題視されており、そんな中でウナギ味のナマズを作り出すことができれば、メリットは大きいのです。
ナマズを蒲焼きにしたものを試食会で披露されたのですが、風味や食感はほぼウナギと同じようなものとのことです。

このウナギ味のナマズを作り出すための技術を生産会社へ提供して、養殖を本格的に進めていく予定があると明らかにされています。
農学部に所属している有路雅彦准教授が開発を担当しており、今後は1年で約10万匹の生産を目標としているそうです。
試食会に参加した報道陣は全部で約40人いたのですが、みんなから好評となりました。

ウナギの味がしっかりとしていて、言われなければこれがナマズとは思わないとのことです。
ウナギ養殖をするためには天然稚魚が必要となるのですが、近年は漁獲量が減少しています。
これは乱獲が続いており、環境破壊も生じているためです。

そのため、ウナギの代替品を作り出す技術が注目されています。
ナマズはウナギに食感が似ているとされており、養殖技術も確立されているため、ナマズをウナギのようにすることができれば、ウナギ不足を解消できます。
エサや水質を工夫するだけでナマズの泥臭さを解消して、脂の乗った美味しいナマズを作り出すことに成功しました。

蒲焼きにした時の味はウナギとほとんど同じであり、天ぷらや刺し身にすることもできるようです。
関東を中心にして今後は流通を進めていくようです。

ウナギの数の減少

近年、ウナギの価格がかなり高騰しているのですが、その理由はシラスウナギが漁でとれないことが続いているためです。
その大きな原因の1つが乱獲であり、ウナギは需要が高いためにたくさん獲り過ぎている状態となっています。
また、海洋環境が変化したことによって、シラスウナギが減っているという現実もあります。

ウナギの生態系についてはまだまだ分かっていないことが多いのですが、近年は産卵場所が南下しており、海流も変化しているため、日本にウナギが辿りつけずに死んでいるケースが増えています。
ウナギは日本からかなり離れた太平洋のグアム沖あたりで産卵することが分かっています。
そこから半年かけて日本へたどり着くのですが、産卵場所が南下したり、海流が変化すれば当然日本へたどり着く可能性は減ってしまうでしょう。

さらに河川環境が悪化しているため、上手く親に育つことができずに産卵数が減ってしまうことが起きています。
せっかく日本へ辿り着いたとしても親まで育たずに死んでしまうウナギが多いのです。
このような3つの原因によって、シラスウナギの数が減っています。

ウナギ味のナマズを作るのも良いのですが、それに並行して天然のウナギの数を増やすための努力もしなければいけないでしょう。
そして、一日でも早くウナギの数を元に戻すべきです。