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【ニュース】大阪から世界初の「青いバラ」

自然界には存在していない

青いバラは自然界には存在していないのですが、昔から多くの方が求めています。
数多くの研究者達が青いバラを生み出すために努力をしてきたのですが、これまでは存在していませんでした。
それが、サントリーの研究者によって青いバラが誕生したのです。

サントリーといえば大阪を代表する企業であり、実はサントリーフラワーズという花部門が存在しているのです。
そこでは独自ブランドの草花を次々と発表しており、2009年にはついに青いバラを市場に出すことに成功しました。
青いバラはサントリーフラワーズという会社とオーストラリアのフロリジーンという植物工学企業が共同研究開発をしたことによって生まれました。

世界では初めてとなる青色の色素を持ったバラなのです。
遺伝子組み換え技術によって青いバラはこの世に生まれました。
発表されたのは2004年なのですが、そこからアプローズというブランドから市場で発売を開始されたのは2009年のことです。

アプローズとは英語で拍手喝采を意味しますが、それに加えて、夢かなうという花言葉を与えています。
バラ愛好家にとっては青いバラは夢の様な存在であり、青いバラは不可能という意味も込められていたほどです。
品種改良によって青いバラを生み出そうと多くの方が挑戦したのですが、そもそもバラには青色の色素がないため、品種改良によって作り出すのは不可能であることが分かりました。

その後、バイオテクノロジーが発展したことによって、遺伝子組み換えを利用して青いバラを作り出す研究がスタートしました。
実際に研究が着手されてから青いバラが生まれるまでに14年の歳月がかかっています。

青いバラが誕生するまで

そもそも遺伝子を操作することで花の色を変えることには前例があります。
それはカーネーションであり、ムーンダストという青色のカーネーションが世界で初めて遺伝子操作によって色を変えた花となっています。
ムーンダストもサントリーフラワーズとフロリジーンの共同研究の成果です。

カーネーションもバラと同様に青色の色素を本来持っていません。
これを遺伝子操作することによって、色素をゲノムの中に組み込み、青色のカーネーションを作り出しました。
どちらも同社を代表する花として世界中で愛好されています。

ただし、青いバラといっても実際の色は青紫色に近いです。
これは花の色というのは色素以外の要素が複雑に関わっているためです。
そのため、今後はより青色に近づけるための研究が行われています。

遺伝子組換え生物に対しては偏見を持っている方が今でも多いため、一部の方からは批判的な意見もあります。
これからはそのような偏見を取り除いていき、より多くの方に青いバラを普及させていくことが求められています。